労務

生命保険料の解約返戻金等を受け取った場合の対応について

2025.04.16

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個人で加入していた生命保険を解約し解約返戻金を受け取った場合、確定申告が必要なケースがあります。
そのため確定申告が必要だと知らず、気づかないうちに無申告状態に陥ってしまうことも考えられます。
また、保険契約者と返戻金の受取人が異なる場合にはかかる税金も異なります。
今回は、生命保険料の解約返戻金等を受け取った場合の対応についてお知らせいたします。

解約返戻金を受け取った場合の確定申告の判定

解約返戻金は原則、「一時所得」に該当します。
一時所得は50万円の特別控除があるため、支払った保険料の総額よりも受け取った解約返戻金の額が多く、その差額が50万円を超える場合、確定申告をする必要があります。

課税の対象となるのは、特別控除50万円を差し引いた金額から、さらに2分の1にした金額となります。

反対に、解約返戻金から払込保険料の総額を引いた額が50万円を越えなければ所得税はかからず、確定申告を行う必要はありません。

解約返戻金、払込保険料の総額の確認方法

多くの場合は生命保険を解約した後、

 

  • 解約通知書
  • 生命保険の支払調書

 

が保険会社から発行されます。

解約返戻金の金額は解約通知から確認できますが、払込保険料の総額は支払調書等を確認する必要があります。

ただし、払込保険料の総額が記載された書類は申し出があった場合にだけ発行する保険会社が多いため、
生命保険を解約したら、払込保険料の総額がわかる書類も生命保険会社に発行してもらうと、確定申告の際にスムーズに進めることが出来ます。
 
また、100万円を超える解約返戻金の場合は、生命保険会社から税務署へ支払調書が提出されます。
未申告の場合は、『税務署へ提出された支払調書』と『確定申告の内容』が異なるために、税務調査の対象となるリスクがあります。

 

正しい確定申告を行うためにも、生命保険等を解約した場合には

 

  • 解約返戻金
  • 払込保険料の総額

 

どちらもわかる書類を確定申告時まで保管することが大切です。

さらに、解約した年に支払った生命保険料も、保険料控除の対象となります。

年末調整・確定申告の際に必要となる生命保険料控除証明書もなくさず保管しておきましょう。

満期保険金を受け取る場合

養老保険、学資保険等の貯蓄型保険金については、保険が満期を迎えた際に満期保険金を受け取ることができます。
満期保険金の受取人が契約者本人(保険金を支払った人)の場合、一時所得又は雑所得として所得税がかかります。
受取人が契約者以外の方の場合、受取人が贈与税の申告・支払いの対象となります
保険金の満期が近くなってきましたら、受取人を確認するようにしましょう。