経理によるチェック方法
① 損益計算書の売上高のチェック
☐ 前月・前年同月と比較して売上が急増していないか
☐ 利用者数が変わらない、または減少しているにもかかわらず売上が増加していないか
☐ 特定の月(締め月等)だけ請求額が突出していないか
② 延べ利用者数と単価の確認(レセプト・国保連通知)
☐ 利用者数と請求件数の関係に不自然な乖離がないか
☐ 1人あたりの平均請求額が不自然に上昇していないか
③ 人件費・給与データとの整合性
☐ 売上に対する人件費率が極端に低下していないか(一般的には約70%前後)
☐ 職員の労働時間に対してサービス提供時間が過大になっていないか
☐ 職員数が変わらない、または減少しているのに売上が増加していないか
これらのチェックについて、レセプトや国保連通知をすべて確認することは現実的ではなく、また必須でもありません。
売上が急増している事業所や、定期的に対象を入れ替えるローテーション方式により、一部を抽出して確認する、あるいは現場へヒアリングを行うだけでも、不正請求のリスクを大きく低減することが可能です。
「すべてを見る」のではなく、「異常値に気づく」ことが経理の重要な役割です。
この視点を持つだけでも、不正の抑止力として十分に機能します。
弊法人では、経理担当者向けの情報提供やセミナーも多数実施しております。
ご興味がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
介護事業所・福祉事業所における報酬の不正請求は、残念ながら後を絶ちません。
不正請求は、いわゆる会計の粉飾と異なり、国保連から実際に入金が行われる点が特徴です。
また、介護保険制度は加算要件や人員配置などのルールが複雑であり、現場以外の立場で正確に理解することは容易ではありません。
そのため、経理や会計事務所が気づかないまま現場で不正請求が行われ、ある日突然、多額の返還請求が発生し、会社の存続に影響を及ぼすケースもあります。
経理が現場から上がってきた請求データをそのまま信じるだけでは、万が一不正が発生した場合に会社や自身を守ることはできません。
本稿では、介護保険制度の詳細を深く理解していなくても実施できる、経理によるチェック方法の一例をご紹介します。