■ 企業型確定拠出年金とは?
企業型確定拠出年金は、事業主がスタッフのためにお金を積み立て、そのお金をスタッフ自身が運用する年金制度です。つまり、事業主が毎月一定額を拠出し、スタッフはそのお金をどのように運用するかを選ぶことができます。将来受け取る年金の額は、運用の成果によって変わります。
■メリットと注意点
※制度導入には「厚生年金に加入している事業主」であることが条件です。
①税制優遇:事業主が拠出する金額は、事業経費として扱われるため事業主にとって税負担の軽減が期待できます。またスタッフにとっても拠出金は所得税の課税対象外となるため、税制上のメリットがあります。
②資産形成の支援:スタッフは、自分のライフプランに合わせて運用商品を選択できるため、将来の資産形成に対する意識が高まります。これにより、老後の生活資金を自ら準備することが可能です。
事業主側のメリットと注意点

事業主側のメリット
◆スタッフの福利厚生の充実
・スタッフの資産形成支援
◆少ない負担で制度導入が可能
・福利厚生費として経費処理が可能
事業主側の注意点
◆制度運営に事務費が必要
加入時初期費用20万円、口座開設手数料3,000円/人
月額運営手数料11,000円、資産管理手数料、
運営管理機関手数料等300円~数千円
※加入する機関により手数料は異なります。
スタッフ側のメリットと注意点

スタッフ側のメリット
◆税制上のメリットが大きい
・掛金は全額所得控除
・運用益は非課税
・受取時は退職所得控除や公的年金等控除の対象
◆選択制のため希望者のみ加入可能
◆離職・転職の場合でも年金口座の残高を持ち運びできます。
◆スタッフが掛金を追加で拠出することも可能です。
スタッフ側の注意点
◆一旦加入すると原則60歳まで解約不可
加入は自由ですが、一旦加入すると原則60歳になるまで資産の引き出しはできません。
◆加入期間が10年未満の場合は、支給開始年齢が先延ばしにされます。
◆将来の受取額が変動選ぶ運用商品によって将来の受取額が変わります。
福利厚生の充実は、優秀な人材の確保や定着に寄与します。企業型DCを導入することで、スタッフに対する事業主の姿勢を示し、クリニックの魅力を高めることができます。
近年、クリニックの福利厚生制度は多様化しており、スタッフのライフスタイルやニーズに応じた選択肢が求められています。厚生年金に加入されるクリニックも増えておりますが、それ以外の福利厚生制度として導入が増えている企業型確定拠出年金(企業型DC)は、スタッフの将来の資産形成を支援する制度として注目されています。