会計・税務 法改正

知っておくべき実務対応
公益法人会計基準の改正にむけて

2026.01.08

  • #公益法人
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2025年4月1日から新基準が適用開始されました。会計担当者が知っておくべき実務対応のポイントを解説します。

公益法人を取り巻く環境はここ数年で大きく変化しており、その一環として「新公益法人会計基準」が2024年12月に公表されました。公益法人に求められる透明性の確保、資源提供者への説明責任の強化といった流れを受け、会計基準もより公益法人の実態に即した形へと改められています。

新公益法人会計基準の適用時期

新しい公益法人会計基準の適用開始日は、2025年4月1日以降に開始する事業年度からです。ただし、すべての法人に一律で即時適用を求めるのではなく、3年間の経過措置が設けられています。よって、すべての法人が完全移行するのは2028年4月1日以降になります。旧基準のままの財務書類では認められなくなります。
経過措置があるとはいえ、多くの公益法人にとって会計業務の大きな見直しが必要となるため、早めの準備が極めて重要となります。

会計基準の改正の理由

2024年12月20日に公表された新基準の冒頭では、公益法人の財務報告の目的が明確に示されています。公益法人は寄付・会費・補助金など、“反対給付のない資源提供”によって成り立つ組織です。このため、財務報告には以下の3つの情報の提供が求められます。

①公益法人の継続的活動能力に関する情報

公益法人が長期的に活動を継続できるかを判断するため、経済的資源(資産)債務純資産といった「ストック情報」が必要になります。

②活動実績(フロー情報)

資源提供者は、提供した資源がどの活動に投入され、どのような成果が生まれたのかを知りたいと考えています。したがって、「活動計算書を中心としたどの事業にどれだけ資源を投入したか」、「事業はどの程度効果的・効率的に機能したか」を示す情報が重要になります。

③資源提供目的との整合性

特定使途を指定された寄付金や補助金が、指定された目的どおりに使われたかを示す情報です。公益法人には税制優遇措置が認められているため、提供者は寄付者だけでなく、社会全体(納税者)まで広がります。そのため、より透明性の高い財務報告と説明責任が求められているのです。

会計担当者・事務局長の事前準備

新基準への移行では、特に小規模法人ほど負担が大きくなると予想されます。今から取り組んでおきたい実務ポイントをまとめます。

①会計ソフトの対応状況の確認

・現在使用中の会計ソフトが新基準に対応するか確認
・アップデート予定や対応時期をベンダーに確認
・必要に応じて、早めに新ソフトへの切替を検討
活動計算書の体系が大きく変わるため、ソフトが対応していないと実務が回らなくなる可能性があります。

②注記情報の整備

新基準では、使途制約に関する情報や内訳明細の開示がより重視されます。
新しい注記項目の理解、内訳明細の作成方法の習得、テンプレートやチェックリストの準備などの整理が求められます。

2028年には会計基準の完全移行が義務化されるため、今から計画的に準備を進めることでスムーズな移行が可能になります。
特に小規模法人では、会計ソフトの対応や注記情報の作成が実務負担となるため、早期に情報収集し、法人内で体制を整えておくことが重要です。
今後も最新情報が更新される見込みのため、行政機関や専門機関の情報を随時確認しつつ、法人ごとに最適な移行方法を検討していきましょう。