特別徴収のスタッフが退職する際、住民税の手続きは退職後の転職先が決まっているかにより異なります。
■退職後の勤務先が決まっている場合の手続き
退職するスタッフの新しい勤務先が決まっている場合、所定の手続きを行うことで特別徴収の継続が可能となります。特別徴収を継続する場合には、「給与所得者異動届出書」の「特別徴収継続」の項目にチェックを入れ、必要事項を記載したうえでスタッフへお渡しください。退職するスタッフが新しい勤務先にこの書類を提出することで、特別徴収が継続されます。
退職後の勤務先が決まっていない場合の手続き
退職後の勤務先が決まっていない場合の住民税の納付方法は、退職時期によって異なります。
| 退職時期 | 納付方法 | 詳細 |
| 1月~4月 | 原則:一括徴収 例外:普通徴収に変更可能 |
5月分までの住民税を最終給与から一括で天引きします。 ただし、最終給与から天引きした結果マイナスとなる場合は、普通徴収への切替も可能です。 |
| 5月 | 普通徴収 | 給与から5月分の住民税を天引きし、その後普通徴収となります。 |
| 6月~12月 | 原則:普通徴収 ※退職者が希望した場合、一括徴収の選択が可能 |
原則は普通徴収です。 スタッフ本人が翌年5月まで納付します。 ただし、退職するスタッフが希望した場合は、最終給与や退職金からの一括徴収も可能です。 |
退職日以降住民税をどのように支払うか、あらかじめスタッフと話し合っておくことが大切です。退職後の住民税を、最終給与で徴収した場合、想定以上の金額が差し引かれ、スタッフにとって思わぬ負担となることも少なくありません。事前に説明し、確認しておくことで、トラブルを防ぐことにもつながります。
歯科医院・クリニックとスタッフの双方が納得できる、無理のない支払い方法を選んでおくと良いでしょう。
また、毎年1月末までに提出している給与支払報告書の提出後に退職者がいる場合も、「給与所得者異動届出書」の提出が必要です。この届出書の提出が遅れると、5月以降に届く住民税の納付書を納税者本人(歯科医院・クリニック)が修正しなければならないため、事務負担が増えてしまいます。
そのため、スタッフの退職が判明した時点で、早急に手続きを進めていくのが大切です。
特別徴収
人住民税や社会保険料などを、従業員(納税義務者)本人が納める代わりに、給与の支払者(事業者)が給与から天引き(差し引き)し、代わりに市区町村などに納付する制度です。正社員だけでなく、パート、アルバイト、役員など、全てのスタッフが対象です。「自分で払いたいので普通徴収にしたい」という従業員の希望だけでは、原則として普通徴収にはできません。
普通徴収
住民税の普通徴収とは、住民税を本人が直接、市区町村から送付される納付書を使って納付する方法のことです。
対象者は、給与所得がない人や、退職者、自営業者などが該当します。
また、一定の条件に該当する場合には、給与所得者であっても市区町村の判断により普通徴収が認められることがあります。
クリニックの経営において、スタッフの退職というのは珍しいことではありません。
退職の手続きに注意を払っていると、つい忘れがちになってしまうのが住民税の特別徴収継続の手続きです。
お金の問題となると、後から退職したスタッフと揉めてしまうケースもあるため、円滑な手続きが求められます。
今回は住民税特別徴収のスタッフ退職に伴う手続きについてお知らせいたします。