会計・税務

少額減価償却資産の特例|
現行制度と「税込・税抜」の重要論点

2026.05.26

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2026年度税制改正により、少額減価償却資産の特例が見直されました。これまで少額減価償却資産の特例の対象外だった資産も、一括で損金にできる可能性があるため正しい理解が欠かせません。今回は少額減価償却資産の特例の改正内容についてご案内いたします。

少額減価償却資産の特例とは

青色申告を行っている中小企業者等が、取得価額30万円未満の資産を事業のために取得・使用した場合、
一定の限度額まで、取得年度に全額を即時償却できる制度です。そのため、耐用年数に基づく通常の減価償却に比べ、
損金を多く計上できることから課税の繰延効果があります。

現行制度の内容(令和8年3月31日まで)

現行制度では、以下の要件を満たす場合に特例の適用を受けることができます。
・青色申告を行っている中小企業者等であること
・取得価額が30万円未満の減価償却資産であること
・事業年度内に取得し、事業の用に供していること
・年間の取得価額合計が300万円以内であること
対象となる資産には、器具備品や機械装置のほか、ソフトウェアなどの無形固定資産も含まれます。

2026年度税制改正のポイント

今回の税制改正で最も注目されるのは、即時償却の対象となる取得価額の基準が、現行の1点あたり「30万円未満」から「40万円未満」へ引き上げられる点です。

 

項目 改正前(~2026年3月31日まで) 改正後(2026年4月1日~)
取得価額 30万円未満 40万円未満

 

事業年度は関係なく、2026年4月1日以降に取得した資産から新制度が適用され、
これまで対象外だった「30万円超40万円未満」の資産も、一定の要件のもとで即時償却が可能になります。

なお、年間300万円までという取得価額の合計上限は、改正前のものから変更はありません。

 

税抜・税込処理で結果が変わる点に注意

40万円未満かどうかの判定は、経理方式(税抜・税込)によって結果が変わる点にも注意が必要です。

 

例)1台407,000円(税込)の場合

経理方式 判定金額 40万円未満 特例の適用
税抜経理 370,000 適用可
税込経理 407,000 × 適用不可

 

■ポイント■
医療機関では、パソコン、レセプト関連機器、医療用ソフトウェアなど、30万円超40万円未満の資産を取得するケースも少なくありません。
今回の改正により、こうした資産についても即時償却が可能となることで、投資設備の判断がしやすくなると考えられます。

少額減価償却資産の特例は、2026年4月1日以降に取得した資産から新基準が適用され、

同じ金額の設備でも、取得日が3月以前か4月以降かで償却方法が変わります。

また、少額減価償却資産の特例を適用した資産であっても、償却資産税の申告対象になるため、固定資産台帳への記載や、
資産管理のルールを簡略化しすぎないよう注意しましょう。