1 保育士等の処遇改善 5.3%を引き続き確保
2026年度の公定価格では、2025年度補正予算で措置された保育士・幼稚園教諭等の人件費5.3%改善が引き続き確保されています。これは、全職員の給与を一律5.3%引き上げるという意味ではありません。加算収入、対象職員、配分方法、法定福利費の増加等を確認し、適切に賃金改善を行う必要があります。
処遇改善等加算の3区分
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- 基礎分
- 賃金改善分 ベースアップ等
- 質の向上分 リーダー層等への改善
複数施設を運営する法人は、施設間配分の根拠と職員別の改善額を説明できるようにし、給与規程、賃金台帳、配分計算表、職員への周知内容が一致しているか確認しましょう。
2 経営情報の未報告は基本分単価の5%減算
特定教育・保育施設の設置者及び特定地域型保育事業者には、毎事業年度終了後5か月以内に経営情報等を報告する義務があります。報告対象には、収支計算書や職員給与の状況等が含まれます。
2026年7月から、未報告の施設等には基本分単価の5%減算が適用されます。自治体から報告内容の修正を求められた後、特段の事情なく、おおむね1か月以内に適切な修正をしない場合も減算対象となる可能性があります。
| 確認項目 | 実務上のポイント |
| 提出状況 | 受付・完了画面まで確認し、提出データを保存 |
| 差戻し | 自治体からの修正依頼を見落とさず速やかに対応 |
| 数値確認 | 決算書、賃金台帳、職員数と報告内容を照合 |
| 複数施設 | 施設別報告と法人全体の決算数値を整合 |
3 保育ICT推進加算が新設
2026年度は、経営情報の報告義務化と併せて、ICT活用への取組も公定価格上で評価される仕組みが導入されました。業務負担の軽減と保育の質の向上を目的に保育ICT推進加算が創設され、ICT活用責任者を置き、組織的な運用体制を整えることが算定の基本となります。
| 要件 | 内容 |
| 4機能のICT活用 | 登降園管理、保護者連絡、保育計画・記録、キャッシュレス決済 |
| 給付・監査 | 保育業務施設管理プラットフォームの活用 |
| 入所・入園調整 | 保活情報連携基盤の活用 |
2026年度は、アカウント発行を受け、令和9年度から活用する意思を申請書等に明記する取扱いがあります。ただし、翌年度に施設側の事情で活用しなかった場合は、加算返還を求められる可能性があります。
ここdeサーチの施設情報は、本加算の算定要件の一つでもあり、年度切替後の5月から9月末までに少なくとも一度更新する必要があります。経営情報の報告と施設情報の更新は別手続きのため、両方の完了を確認してください。
4 安全計画は作成だけでなく実施と記録を
2026年7月から、安全計画の策定等を行っていない場合の減算が導入されています。計画書の作成に加え、次の取組を実施し、記録を残す必要があります。
- 施設・設備の安全点検
- 園外活動を含む安全指導
- 職員への周知と定期的な研修・訓練
- 保護者への取組内容の周知
- 計画の定期的な見直し
研修・訓練の実施日、参加者、内容、写真、議事録等を保存しましょう。実施していても記録がなければ、指導監査で説明することが難しくなります。
5 そのほかの主な改定
施設機能強化推進費加算
事業実施や乳幼児の利用等、これまで併せて課されていた複数の要件が廃止され、活用しやすくなりました。見直し後の単価は、保育所・幼稚園・認定こども園が20万円、小規模保育・家庭的保育・事業所内保育等が10万円です。対象経費と自治体の申請時期を確認しましょう。
障害児保育における専門職の活用
一定の要件を満たす理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、心理担当職員等を、1人に限り保育士とみなす特例が設けられました。資格・実務経験・支援体制等の要件があるため、配置前に自治体へ確認してください。
確認しておきたい実務チェックリスト
□ ここdeサーチの施設情報を今年度一度以上更新した
□ 経営情報等の報告と施設情報更新の両方を完了した
□ 処遇改善5.3%分の収入見込みと配分方法を確認した
□ 安全計画に定めた研修・訓練を実施し記録を残した
□ 保育ICT推進加算や取得可能な加算を確認した
注意 申請期限や必要書類には自治体ごとの運用があります。最終的には施設所在地の市区町村から発出される通知・申請案内をご確認ください。
参考 こども家庭庁「2026年度公定価格・基準等の見直し事項」「公定価格に関するFAQ 第31版」ほか
2026年度は、処遇改善やICT活用への支援が進む一方、経営情報の未報告や安全計画の未実施に対する減算が本格化しました。法人形態を問わず、期限管理と実施記録の保存が重要です。今回は、社会福祉法人・株式会社が運営する保育施設で特に確認したい事項をまとめます。