会計・税務 法改正

ベースアップ評価料の「8月報告」実績報告書と中間報告書、様式の使い分けにご注意を

2026.08.10

  • #医科
  • #歯科
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令和8年度(2026年度)の診療報酬改定にともない、毎年8月に求められる賃金改善の状況報告が、大きく様変わりしています。

これまでの「賃金改善実績報告書」に加え、新たに「賃金改善中間報告書」が提出対象となり、今年8月は2種類の報告書を同時に準備する必要があります。

本日は、院長先生が事務手続きを円滑に進め、スタッフの皆様への適切な賃金還元を継続していただけるよう、提出書類の種類や注意点を、厚生労働省の特設ページに基づき整理してご案内します。

1. なぜ8月に2つの報告が必要なのか

ベースアップ評価料を算定している医療機関(診療所・歯科診療所を含む)は、毎年8月に賃金改善の状況を報告する義務があります。

令和8年度の改定により、従来の「賃金改善実績報告書」に加え、新たに「賃金改善中間報告書」が提出対象に加わりました。

これは、改定後の新しい算定ルールのもとでの賃上げ状況を早期に把握するための仕組みです。

そのため今年8月は、過去(令和7年度(2025年度)分)の振り返りと、現在(令和8年度(2026年度)分)の速報という、2つの報告が同時に求められます。

2. 令和7年度「賃金改善実績報告書」の要点

対象内容:令和7年度(2025年度)全体における賃金改善の実績報告。

使用する様式:改定前の旧様式である「【令和7年度算定分】賃金改善報告書様式」を必ず使用してください。

令和8年度(2026年度)の改定で様式が刷新されていますが、令和7年度(2025年度)分の実績には旧様式を用いるルールです。診療所・歯科診療所には専用の報告書様式(Excelファイル)が用意されています。

報告のポイント:ベースアップ評価料による収入実績・繰越状況、対象職員の合計と、一部の対象職種の内訳を報告します。

3. 新設された「令和8年度 賃金改善中間報告書」の要点

対象内容:賃上げの実施時期にかかわらず、令和8年度(2026年度)の6月と7月時点の賃上げ実績。

使用する様式:「改定後の新様式(令和8・9年度算定分用)」である「ベースアップ評価料届出様式(様式95~100)」を使用します。

主な報告事項:中間報告では、以下の項目などを報告する必要があります。

  • ベースアップ評価料の算定収入額
  • 対象職種ごとの常勤換算数
  • 基本給等総額(給与改善前・後)
  • 賞与の月数の変化

 

特徴:実績報告が対象職員全体を主とするのに対し、中間報告では対象職種を指定して詳細に報告する点が特徴です。

4. 提出スケジュールと対象医療機関の整理

貴院がいつからベースアップ評価料を算定しているかによって、提出すべき書類の組み合わせが変わります。

 

算定開始の時期 令和8年8月に提出する報告書
パターンA:令和8年5月以前から継続して算定 令和7年度の実績報告(旧様式)と、令和8年度の中間報告(新様式)を、併せて8月に提出します。
パターンB:令和8年6月以降に初めて算定を開始 令和7年度の実績がないため、令和8年度の中間報告(新様式)のみを8月に提出します。
ご確認ください

令和8年度診療報酬改定により、これまで届け出ていた医療機関も含め、全ての医療機関が令和8年5月中に改めて届出を行うことが必要とされました。まだ届出がお済みでない場合は、報告に先立ちそちらをご確認ください。

5. 提出方法と事務的な注意点

報告書の提出は、原則として管轄の地方厚生(支)局の専用メールアドレスへの送信によって行います。

専用メールアドレスを持っていない等やむを得ない事情がある場合には、書面での提出も可能です。

ファイル名の命名規則:Excelファイル名には必ず「医療機関コード」と「報告対象年度」を記載してください。

 

例:9999999_ベースアップ評価料報告R7.xlsx (令和7年度(2025年度)実績報告の場合)

メール本文:医療機関名および連絡先(署名等)を必ず記載してください。

区分変更の確認:賃金改善計画の実施期間中に、対象職員数の1割以上の変動、または3月ごとのベースアップ評価料の算定回数の1割以上の変動があり、区分に変化が生じる場合は、別途「区分変更の届出」が必要になるため注意が必要です。

様式の不具合修正(2026年5月27日更新)

入院ベースアップ評価料を算定し、外来診療がゼロ件(入院のみ)の医療機関で、区分が「250」と誤表示される不具合がありました。

該当する場合は様式を再度ダウンロードのうえ記入・再提出をお願いします(外来診療が1件以上ある医療機関は影響なく、対応不要です)。

おわりに

ベースアップ評価料はスタッフのモチベーション向上に欠かせない原動力ですが、この8月の報告業務はその適正な運用を証明する重要なプロセスです。

特に今年は「実績報告は旧様式」「中間報告は新様式」という使い分けが最大のポイントです。

厚生労働省の特設ページでは、様式の解説動画や記載例も公開されていますので、不明な点があれば事務局の方とご確認ください。

なお、事業継続のために賃金水準を下げざるを得ない特別な事情が生じた場合には、別途「特別事情届出書(様式94)」の提出が必要となる規定もあります。適切な報告を行い、来期以降も安定して評価料を受給できるよう、早めの準備を進めてまいりましょう。

 

(本記事は、厚生労働省「令和8年度診療報酬改定におけるベースアップ評価料等について」特設ページに基づき作成しています。